2021/01/15:三重県南東沖で異常震域を伴うM5.3, 茨城, 十勝, 福島, 佐渡, 八丈島, 宮古島, 奄美でM3.5〜4.5の地震が相次ぐ
2021/01/15は三重県南東沖で異常震域を伴うM5.3の深発地震があり、茨城・十勝・福島・佐渡・八丈島・宮古島・奄美でもM3.5〜4.5の地震が相次ぎました。
それぞれを時系列で列挙すると次の通りです(最新順)
発生日時 | 震源 | 震度 | 規模 | 深さ | 北緯, 東経 |
---|---|---|---|---|---|
2021/01/15 22:39頃 | 三重県南東沖 | 2 | M5.3 | 約390km | 33.7, 137.3 |
2021/01/15 22:16頃 | 茨城県北部 | 1 | M3.1 | 約50km | 36.5, 140.5 |
2021/01/15 17:40頃 | 十勝地方南部 | 2 | M4.4 | 約50km | 42.5, 143.3 |
2021/01/15 16:38頃 | 奄美大島近海 | 2 | M3.5 | 約20km | 27.6, 128.8 |
2021/01/15 14:04頃 | 八丈島近海 | 1 | M3.6 | 約10km | 32.9, 139.5 |
2021/01/15 12:59頃 | 福島県沖 | 2 | M3.8 | 約30km | 37.2, 141.2 |
2021/01/15 11:16頃 | 佐渡付近 | 2 | M3.5 | 約10km | 37.8, 138.3 |
2021/01/15 01:28頃 | 宮古島北西沖 | 1 | M4.5 | 約130km | 25.3, 124.3 |
この日はインドネシアのスラウェシ島でもM6.2の地震があり現地では大きな被害が出ていますが、同じ環太平洋火山帯に属する日本列島においても全国的に有感地震の多い一日となっています。
注目はやはり三重県南東沖を震源とするM5.3の深発地震で、関東〜東北にかけて異常震域を観測しています。異常震域とは、震源より遠く離れた場所で異常に震度が高くなる現象です。
ここで、近年、三重県南東沖における異常震域を伴った深発地震の発生例を見てみます。
発生日時 | 最大震度 | マグニチュード | 深さ | 北緯, 東経 |
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2021/01/15 22:39頃 | 2 | 5.3 | 約390km | 33.7, 137.3 |
2020/08/07 00:35頃 | 2 | 5.2 | 約380km | 33.7, 136.8 |
2019/07/28 03:31頃 | 4 | 6.5 | 約420km | 33.0, 137.4 |
2018/12/10 00:22頃 | 2 | 5.3 | 約370km | 33.1, 138.0 |
2018/07/02 22:39頃 | 1 | 4.1 | 約360km | 33.7, 137.1 |
2017/01/03 03:35頃 | 2 | 4.8 | 約380km | 34.0, 136.5 |
2013/09/23 17:07頃 | 1 | 4.0 | 約370km | 33.8, 137.3 |
2013/08/13 01:25頃 | 1 | 4.3 | 約370km | 33.7, 137.2 |
2010/04/27 08:24頃 | 2 | 4.4 | 約380km | 33.7, 137.1 |
2008/09/06 00:12頃 | 2 | 5.3 | 約410km | 32.6, 137.1 |
異常震域の発生は決して稀有な現象ではないので必要以上に不安を感じる必要はありませんが、これを機会として備災・防災用品の確認や備蓄品の補充などをおこなっておきましょう。
三重県南東沖は南海トラフ巨大地震の想定震源域内に位置しています。このあたりでの地殻の活動は現在も活発に続き「ひずみ」を蓄積し続けていると言われます。
特に、南海トラフにおいて海側プレートと陸側プレートが地下で接し動いている部分にあると見られる「固着域」には、定点的に強く固着している部分と広範囲に渡って弱く固着している部分がありますが、弱い固着域部分では継続的なスロースリップ現象が観測されています。
弱い固着部分で破壊が起きるたびに体感できる地震が発生すると考えられますが、気にしておきたいのは沖合にある強い固着域のいくつかです。ここのひずみが限界を迎えて連鎖的に破壊されたときは、より大きな地震が発生する可能性があります。
南海トラフ巨大地震の発生時期に関しては、現時点では科学的に確度の高い予測は不可能というのが実情ですが、確率論的には今後30年以内の発生確率は70%、さらに50年以内まで範囲を広げると90%という高い数値となっています。
ただし、ネット上の情報に関して特に極端なもの(「X月X日に起きる」という予言的な話し等)については、必ずその情報源が公式なものか、科学的な根拠にもとづいたものかどうかを確認してください。オカルトネタ的なものに関しては「そういう話もある」という程度の受け取り方で構いません。
その上で、こうした小規模な地震は「備えのキッカケ」として活用しましょう。他の地域の方も今のうちに改めて防災用品や備蓄品の用意と、ご家族との緊急連絡手段や連絡先・集合場所などを確認しておいてください。
重要なことは「いつ起きるか・どこで起きるか」ではなく「起きたときに備えがあるか」です。防災よりも「備災」を念頭においた行動を。
この日、他に発生した有感地震(主に記事公開後)
あああああ