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【沖縄・台湾】沖縄本島付近と台湾南東沖でM5以上の地震(2019/04/08)

2019/4/8は、沖縄本島近海の琉球海溝沿いでM5.5、その後に台湾南東沖でもM4.6〜M5.1の地震がありました。 琉球海溝では巨大地震の記録が少ないものの過去に遡ると、沖縄本島と台湾の間にある先島諸島では約600年周期で巨大津波が発生したことを示す痕跡があるとのことです。 沖縄周辺は地震が少ないイメージをお持ちのかたも多いかと思いますが、琉球海溝沿いでは意外と活発な地震活動が見られ有感地震も多い領域です。 宮古島付近や西表島付近では、ときおり群発地震のような連続した地震が観測されています。 2018年2月には琉球海溝の東端に位置する台湾で「台湾花蓮地震」が発生し、大きな被害が出たことも記憶に新しいと思います。 地震予測に関しては、内陸直下の断層型の予測は困難ですが、海溝型はある程度の予測が可能と言われます。東日本大震災が起きた際も、震源の周辺海域では前兆となる小規模な群発地震が発生していました。 沖縄周辺での地震はほぼ海溝型なので、今後の動きは気にしておきたいところです。

【北海道】十勝沖で震度2、M4.0の地震(2019/04/04)

2019/4/4は、北海道の十勝沖で小規模な有感地震がありました。十勝沖は目立って有感地震が多い震源ではありませんが、2008年9月にはM7.0・最大震度5弱の地震が太平洋プレートと陸のプレートの境界で起きています。 特に2008年9月の地震は、その5年前の2003年9月に起きたM8.0の「十勝沖地震」の震源の近くで発生したものです。 2017年12月の政府地震調査委発表では、北海道の千島海溝沿いでM9クラスの巨大地震が発生する切迫性が高く(発生確率最大40%)、20m以上の大津波が起きる可能性があるとのこと。 この千島海溝沿いでの発生が予測されている大規模な地震に関しては発生間隔がおよそ340〜380年周期となっていますが、前回の発生からはすでに400年以上が経過しており、いつ起きてもおかしくないとされています。 なお十勝沖・根室沖・釧路沖で発生している有感地震の規模推移を2008年あたりから10年間で見てみると、十勝沖と釧路沖は緩やかな微減傾向になりますが、根室沖に関しては逆に緩やかな微増傾向となっています。 最近の北海道では胆振地方東部での地震が多い印象がありますが、千島海溝沿いでの発生が見込まれる地震に関しても今後、留意はしておきたいところです。

【高知】高知県中部での震度1、M2.7の小規模地震(2019/04/02)

有感地震は引き続き概ね静穏な状態が続いているように見える中、4/2に注目したのは高知県中部での小規模な地震です。 この辺りは以前より南海トラフ沿いのスロースリップと固着域が確認されています。 近年(2015年以降)の震度3以上で見てみると、海側は多め・陸側は少なめといったところでしょうか。 震源が浅いのでフィリピン海プレートが沈み込む先のユーラシア(アムール)プレート内のようです。 このアムールプレートは西日本・中国大陸の旧満州地方・ロシアのサハリン沿海地方・朝鮮半島を含む小規模なプレートで、かつてはユーラシアプレートの一部と考えられていましたが、現在では独立したプレートと考えられています。 なお高知県中部は有感地震が少ないようです。また高知県の太平洋側の沖合は、他の南海トラフ沿いの想定震源域と比べても過去にほとんど有感地震が起きていません。 このあたりは強弱含めた南海トラフの固着域が広範囲に存在するため、フィリピン海プレートの移動においても破壊されにくいプレート境界があると考えられます。 この先、蓄積された「ひずみ」がいつ開放されるのかという点については、南海トラフ巨大地震の発生予測に関する臨時情報の発表と併せて見ていく必要があるでしょう。 なお、南海トラフ地震に関する気象庁からの定期的な情報の今月4月ぶんの公表は、定例パターンで考えた場合は第2週になると思われます。

【熊本】阿蘇山の火山性地震と孤立型微動の回数推移(2019/1〜2019/3/31)

2019/03/30に種子島近海でM5.0・最大震度3と、4/1に宮城県沖でM4.0・最大震度2があった以外、有感地震は概ね静穏に見えます。 今回は、気象庁が公開している阿蘇山の観測データから、過去3ヶ月間(2019/01/03〜2019/03/31)のものでグラフ化してみましたが、グラフのトレンドライン的に火山性微動は概ね減少傾向であるものの、孤立型微動は緩やかに増加している結果となりました。 この期間のデータを対象としたグラフ上のトレンドラインで見た場合、3/28でラインが逆転していますが、対象としている範囲のデータとしてはサンプル数が少ないためと言え、3/28を起点としてこの先に特別な何かがあるというわけではないでしょう。 「孤立型微動」は阿蘇山特有の突発的に発生する短い微動で、火口直下のごく浅い場所で発生します。この増減が阿蘇山の火山活動を評価する指標の1つとなっています。 発生のメカニズムとしては、火山ガスや地下水に起因していると考えられていますが、気象庁の説明によれば詳細は不明とのこと。 とは言え、熊本地震以降の九州地方の地面下の活動はとても活発です。備えと警戒は怠らずに日々の生活の中に組み入れ、気象庁や民間情報サイトなどの出す情報は適宜チェックされてみてください。

【九州・四国】南海トラフ沿いでの有感地震の過去10年の規模推移(2019/03/29)

2019/03/27の日向灘の地震が南海トラフ地震の前兆では?との話題を目にしますが、試しに近年頻発している南海トラフ沿いの3つの震源の過去10年程度の有感地震の規模(マグニチュードと最大震度)の推移をグラフ化してみました。 着目点は、マグニチュードおよび最大震度の増減傾向に関してグラフの傾向を示す、横方向の「トレンドライン」の傾きです。 ■紀伊水道: マグニチュードは一定、最大震度のみ微増傾向です。 ■豊後水道: マグニチュードと最大震度の両方とも増加傾向です。 ■日向灘: 意外とほぼ安定しています。マグニチュードと最大震度の両方とも、逆にごく僅かな微減傾向が見られます。 もっとも、このグラフはマグニチュードと最大震度の経年推移をシンプルに可視化しただけのものですので、ここから南海トラフ巨大地震の発生予測などができるわけではありません。 ただ、各震源における地震の発生頻度の日々の増減は、長期的な視点で見るとさほど気にするほどのことではないと考えられるでしょう。 いつ発生しても命さえ無事ならその後の生活を乗り切れるように、日々の備えをしっかりとしておくことが何よりも重要です。

【九州・四国】紀伊水道および日向灘での連続地震(2019/03/27)

2019/03/27は紀伊水道で小規模な地震の後、日向灘で連続して地震が発生し、日向灘での地震に関しては、9時台(2回)→15時台(2回)→18時台(1回)と続いています。 震源としてはちょうど南海トラフの陸側、九州〜四国にかけてスロースリップと固着域の存在が観測されている領域内のようです。 日向灘ではこれまでも、比較的高頻度で有感地震が起きているので珍しいことではありませんが、1日にここまでの回数起きるのは久しぶりです。 この後、継続して頻発するのか収束するのかは現時点では判りませんが、今後しばらく地震情報には注意しておきたいところです。

【石川】石川県能登地方でM2.9・震度2の地震(2019/03/25)

2019/03/25は九州〜東北の太平洋側と日本海側で複数の小規模な有感地震がありました。 茨城県南部→日向灘→奄美大島近海→石川県能登地方→福島県沖→茨城県沖。 この中で注目したのは、小規模ですが日本海側の石川県能登地方でのM2.9・震度2。 能登半島の日本海に面した震源で付近には北陸電力の志賀原発があります(1号機は停止中、2号機は再稼働前提の審査を審査中)。 このあたりは邑知潟断層帯を含めた複数の断層がありますが体に感じる大きさの地震は多くありません。今回の震源での有感地震の発生頻度は年に2〜4程度。 ただし、身体に感じない規模の地震は原発周辺でも相応に発生しています。 志賀原発に関しては、原子力規制委員会の有識者調査団が2016年に敷地内断層を調査し、1号機の原子炉直下を通る断層について「(過去に)活動したと解釈する」という結果が出ています。 また2号機に関しても複数の断層に関する活動性の有無が議論されています。 日本国内における原子力発電所のうち複数が中央構造線の直上に建設されているなどの状況はあり、東日本大震災における原発事故などを鑑みると脱原発という流れは今後選択すべき大きな要素の1つではあります。 日本で脱原発が実現した場合、私たち一般庶民もおそらく大幅な電気料金アップを受け入れざるを得ない状況になる可能性が見込まれますが、現実問題としてそれはまだかなり先のことになるのではないでしょうか。 再生可能エネルギー先進国のドイツは2022年に向けて原発を段階的に廃止するそうですが、ガスのほぼすべては国外からの輸入・褐炭の世界最大の産出国という側面もあるようです。 先に一般庶民としてできることは、お手軽なソーラーチャージャーなどで生活の中の電力消費の些細な部分から、再生可能エネルギーの使用に取り組むことなどでしょう。 最近は60w程度のソーラーチャージャーなどが手軽に入手できるようになってきました。モバイルバッテリーやスマホの充電などには十分実用レベルです。 ITOITO-STYLEでも、ソーラーチャージャーを使った太陽光発電&充電のレビュー記事を公開中です。ご関心のあるかたは、こちらのリンクからご覧ください。 https://itoito.style/article/5231

【長野】長野県北部で連続した小規模地震(2019/03/23)

2019/03/23は長野県北部で午前中に4連続で震度1〜2の小規模地震がありました。特に7時台のものは2分間隔です。 長野県北部は糸魚川静岡構造線の起点に地殻、また長野盆地西縁断層帯(信濃川断層帯)も存在し比較的地震が多い領域です。 断層帯の長さは約74kmにも及び、野沢温泉村から千曲市に至る長さ約59kmの飯山〜千曲区間と、千曲市から筑北村に至る長さ約15kmの麻績区間に区分されます。 記録が残る過去の大きな地震としては、1847年に起きたM7/4の「善光寺地震」が目立つでしょうか。 近年の大きな地震としては、東日本大震災の1月後の2011/4/12に震度5弱・M5.5があり、その後も2014/11/22には震度6弱・M6.7が発生。最近では2018/5/25に震度5強・M5.2という大きな地震が発生しています。 内陸部の断層型地震は予測が難しいため、結果的に「発生してから対応」という形になりがちです。もし大型地震が発生してしまった時、備えがあるかどうかがその後の生活再建に直結します。 ちょうど3/21の春分の日を使って4連休とい方もいらっしゃると思います。この機会にぜひ、諸々の備えを進めてみてください。

【栃木】栃木県北部で震度2、M2.9の地震(2019/03/22)

3/22は栃木県北部で震度2、M2.9の地震がありました。 栃木県には福島県との県境から那須野原の西縁に沿って延びる活断層である「関谷断層」と、中禅寺湖の南東には「内ノ籠(うちのこもり)断層」がありますが、今回の震源としてはどちらにも掛からない位置です。 (地震情報のバックナンバーと、災害時に活かせるアウトドア・ノウハウは https://itoito.style/ をご覧ください ) 関谷断層の地表で認められる長さは約38km、地震発生確率の長期評価は0%。 関谷断層の長期評価としての将来的な地震発生確率はほぼ「0%」ですが、これまでの大阪府北部地震や北海道胆振東部地震の震源付近の断層の評価も同様であったことを考えると、100%の楽観視はできないでしょう。 2つの断層の間では過去に大きな地震が複数発生した記録はあり、特に1683年にはM6.3〜M7.0と推定される地震が発生しています。 また、1949/12/26には現在の日光市(当時の今市市)付近で内陸直下型地震となる「今市地震」が発生し、このときはM6.2が起きた8分後にM6.4の地震が続けて発生しました。余震は翌年3月下旬まで続いたそうです。 この地震による死者は10名、負傷者は163名とのこと。 このあたりは柏崎千葉構造線に沿っており、現在でも比較的活発な地震活動が続いています。 関谷断層に関する地震発生確率の長期評価は0%だとしても、今後、相模湾〜房総半島南東沖で発生する地震による被害を受ける可能性があるということですので、付近にお住まいの方は備えだけはしておきましょう。

【熊本】熊本県熊本地方で最大震度3・M3.4の地震(2019/03/20)

2019/03/20の18/31頃、熊本県熊本地方で最大震度3・M3.4の地震がありました。中央構造線沿いです。 近年の熊本地方では地震と火山活動が活発で、今年1月にも震度5弱と震度6弱が発生しています。 阿蘇山に関しても、3/12に噴火警戒レベルが2に引き上げられています。 今年1月末〜2月頭には、同じ中央構造線沿いの別府温泉で一時的に蒸気量が減る現象があり、昨年8月末には大分勢家の大規模温泉施設が湯量減少で閉鎖となりました。 熊本地震のあった2016年は震度4以上の地震が非常に多かったのですが、2017年以降は大きめの地震は徐々に減少傾向にはあるようです。 ただ、予測しやすいプレート境界の海溝型の地震と異なり、内陸部の断層型の地震は予測が難しいという現実があります。必要なことは日々の備えと情報収集です。