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【九州・沖縄】九州〜沖縄あたりで複数の小規模な地震(2019/03/19)

2019/03/19は九州〜沖縄あたりで小規模な地震があり、前3/18は東北〜関東でも小規模な地震が相次いでいました。 奄美大島近海は今年に入りやや活発化、特に2月は多かったようです。近年では2015/5/22に最大震度5弱・M5.1、マグニチュードの大きなものでは2011/12/11にM5.4と2016/1/9にM5.5が起きています。 種子島近海は目立って活発感は無いものの、2019/1/8にはM6.4の地震が起きています。最大震度は大きいものでも3程度のようですが、震度3でもマグニチュードは4〜5以上になった地震が複数回、過去に発生しています。 沖縄周辺は地震が少ない印象がありますが、沖縄本島南方の琉球海溝沿いに、海溝型の巨大地震を引き起こすプレート間の「固着域」が2018年に発見されています。 先の東日本大震災でも固着域の一気破壊があったと見られ、また、今後想定される南海トラフ巨大地震でも同様に固着域の破壊が見込まれています。 沖縄本島南方の沖合では過去・1791年に海溝型の大きな地震が発生し、11mの津波が沖縄本島を襲ったとされていますが、2018年に発見された琉球海溝沿いの固着域はこのときの震源域と重なっているということです。 今まで長年地震が無かった領域で今後もずっと地震が起きないとは限らないことは、熊本地震など前兆らしい前兆が無かったいくつもの大地震が証明しています。 「防災」とは災害を防ぐと書きますが、自然災害を防ぐことはなかなかできません。であれば災害に備える「備災」から、備えることで発災後の被害を減らすための「減災」へといかに繋げるかが重要になるでしょう。

【東北・関東】東北〜関東の太平洋側で小規模な地震が相次ぐ(2019/03/18)

2019/03/18は、東北〜関東の太平洋側で小規模な地震が相次ぎました。 震源的にはいずれもよく地震が起きており、太平洋プレートが日本列島が乗った北米プレートの下へ沈み込んでいる構造で日本海溝(最深部は8020m)が存在します。 注目したのは午前3時台に千葉県南東沖での3連続。前日である3/17には千葉県東方沖で震度3、M4.2の地震も起きていました。 もっとも、体に感じない規模の地震は日本中で連日多数起きていますので、たまたまこのようなパターンで発生したと言えるでしょう。 それぞれの震源における過去の大きな地震を見てみると、 ---- 千葉県南東沖:2011年02月05日に震度4、M5.2(東日本大震災の1ヶ月前) 茨城県北部:2016年12月28日に震度6弱、M6.3 岩手県沿岸北部:2015年07月10日に震度5弱、M5.7 青森県東方沖:2012年05月24日に震度5強、M6.0 2014年08月10日に震度5弱、M6.1 ---- となるようです。 いずれも近年において大きな地震を起こしている震源であることが判ります。 東北〜関東の日本海溝沿いでは、今後30年内にM7級の大地震の発生確率がかなり高いとされており、当該報道は2019年2月26日に政府の地震調査委員会によって公表されています。 東日本大震災は1000年に1度と言われましたが、確かにM9クラスの巨大地震はとうぶん発生しないと考えられています。しかし、M7〜8クラスのものは今後も複数の発生が予想されています。 「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とは言いますが、何も無い平常な状態が続くとかつての震災の記憶も薄れ、備えもおざなりになりがちです。 月に1度くらいは、備災・防災用品や備蓄品の賞味・消費期限を確認してみてください。

【千葉】千葉県東方沖で震度3、M4.2の地震(2019/03/17)

2019/03/17の06:07頃に千葉県東方沖を震源とする最大震度3・M4.2の地震がありました。このあたりは地震が頻発している領域です。 「千葉県東方沖地震」として過去の大きなものは、 ・1987/12/17に最大震度5・M6.7、 ・2012/3/14には震度5強・M6.1(東日本大震災の翌年) が発生しましたが、発生様式はいずれも異なります。 ---- ■1987/12/17:M6.7(最大震度5)死者2名、負傷者144名 九十九里浜付近が震央で、フィリピン海プレート内部の右横ずれ断層型地震 ■2012/03/14:M6.1(最大震度5強)死者1名、負傷者1名 銚子市沖が震央で、陸側の北米プレート内部の正断層型地震 ---- 千葉県東方沖では、フィリピン海プレートと北米プレートの境界部でスロースリップ現象も確認されており、確認時期は 「1983年→1990年→1996年→2002年→2007年→2011年→2014年」 と、およそ平均5年間隔で発生すると見られています。 今年2019年は前回からちょうど5年です。 また、房総半島沖でフィリピン海プレート・北米プレート・太平洋プレートが接する境界では、2つの大きな大活断層が存在することが2012年に広島大や名古屋大、海洋研究開発機構などの研究グループによる調査で判明しており、これまでノーマークで未調査の活断層ということです。 長さはそれぞれ160kmと300km。この2つの断層の全体が一度に動くと、M8〜9の巨大地震を引き起こす可能性があると言われています。

【国内】今後想定される巨大地震と四国沖の地震空白域(2019/03/15)

3/14深夜から桜島での噴火や、茨城県沖でのM3.8(震度1)があったものの、3/15は概ね静穏な1日のようです(桜島の噴火はおそらく平常通り)。 ここで、米USGSで公開されているデータから日本周辺の過去約100年の震源を見てみると、もはや太平洋沿岸は見えないほどの数になります。 先日の愛媛県南予でのM4.5や紀伊水道でのM5.2に関するニュースなどでは、「南海トラフ巨大地震が迫っている」という話しも報じられてはいますが、国内で地震研究や防災に関わっておられる方の中には 『南海トラフに関しては、まだ慌てるタイミングではない。発生周期的にすでに満期を迎えているのは北海道沖だ』 という見方もあります(※政府公式見解ではありません)。 北海道の十勝沖〜根室沖の千島海溝沿いでは、おおむね340〜380年周期で大地震が発生していますが、前回の発生からすでに400年が過ぎているためです。 今後30年内の発生確立で見ると7%〜40%という数字にはなっていますが、政府地震調査研究推進本部での評価としては「発生は切迫している」となっています。 千島海溝からは離れていますが、北海道では胆振地方東部でも大きな地震があったり、北方領土周辺においても地震が発生していますので、注意と備えだけはしておきたいところです。 南海トラフ周辺に関してUSGSの過去100年の震源データで見ての注目ポイントは、これほどの期間があっても南海トラフより陸側の四国沖にある地震の空白域で、このあたりは固着域に合致します。 固着域以外ではプレートの動き対して相応に地震は発生しているため「ひずみ」自体は蓄積され続けていることになります。 南海トラフ地震に関しては、気象庁から定期的に「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」というものが公開され、平常時に比べて大規模地震発生の可能性が高くなった場合は臨時情報が発表されることになっていますので、特に不安になる必要はありませんが、防災用品や避難ルート・ご家族や友人知人との連絡手段の確認などは怠りなく。

【徳島・和歌山】紀伊水道で最大震度4、M5.2の地震(2019/03/13)

2019/03/13の13:48頃、紀伊水道で最大震度4、M5.2の地震がありました。東海地方から四国の西端まで広く揺れたようですが、まさに南海トラフ巨大地震の想定震源域のほぼ全域が揺れたことになるでしょうか。 2日前の3/11には愛媛県南予でもM4.5の地震。このあたりでは継続的なスロースリップが確認されている範囲です。 特に紀伊水道で前回M5クラスが起たのは昨2018年ですが、改めて気象庁の公開データベースを調べてみたところ、最大震度4・M5.0以上の地震が地震が起きたのは今回を除いて観測データが存在している範囲では3回のみです。 2018/11/02 16:53, M5.4・震度4 1948/06/15 20:44, M6.7・震度4 1941/12/25 18:31, M5.8・震度4 2018年より前は1948年ということになるので、実に70年ぶりのM5クラス以上ということになります。 また紀伊水道での地震は、M3クラス以上のものは ・深さが10km以下のもの ・深さが40〜50kmあたりとやや深めのもの の2パターンに分かれる傾向があるようです。 ---- 歴史を遡ること1946/12/21には、紀伊半島沖で「昭和南海地震:最大震度6・M8.0」が発生し、1330人の死者が出ています。 この地震における最大余震は、本震から約1年5か月後の1948/04/18に和歌山県南方沖で発生したM7.0の地震でした。1948/06/15のM6.7は、その2ヶ月後に発生しています。 70年前は1948年を最後にM5以上の地震は途絶えたわけですが、今回も沈静化するのかそれとも活発化するのかは不明です。 ただ、次の南海トラフ巨大地震は必ず来ると言われています。 発生した時に「備えていた人たちとそうでなかった人たち」との間では、その後の被災生活の質は大きく異なることになるでしょう。 とは言え数十年前から来るぞ来るぞと言われて未だに起きないのも事実で、大きな自然災害に対する緊張感を長期間維持するのは不可能と言うもの。 このあたりは気持ちの折り合いを付けて、無理のない範囲で備えを生活の中に組み込む必要があるでしょう。

【熊本】阿蘇山の噴火警戒レベルがレベル2(火口周辺規制)に引き上げ(2019/03/12)

2019/03/12の6時頃ですが、阿蘇山の噴火警戒レベルがレベル2(火口周辺規制)に引き上げられました。2年4ヶ月ぶりくらいでしょうか。 3/4にも阿蘇山の孤立型微動が増加している点を中心にご紹介しましたが、グラフを更新してみました。 阿蘇山の噴火警戒レベルの近年の記録では、2014/08/30にレベル1から2に上がった後は2〜3で変動し、2017/02/07に再び1へ沈静化、ここに来て再度レベル2ということで、一見すると「通常運転」的な印象は受けます。 【新しい情報順】 2019/03/12 : 噴火警戒レベル2 2017/02/07 : 噴火警戒レベル1 2016/12/20 : 噴火警戒レベル2 2016/10/08 : 噴火警戒レベル3 2015/11/24 : 噴火警戒レベル2 2015/09/14 : 噴火警戒レベル3 2014/08/30 : 噴火警戒レベル2 2014/03/12 : 噴火警戒レベル1 従来と同様のパターンが当てはまるのであれば、今後も噴火警戒レベルが2〜3を行き来した後に再びレベル1に戻って沈静化、という動きかもしれません。 ただし、人間が望むパターンが当てはまらないのが自然の動きです。 これらの情報は気象庁のwebサイトで公開されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

【愛媛】東日本大震災から8年目の3.11に愛媛県南予でもM4級の地震(2019/03/11)

東日本大震災から8年目の3/11は、愛媛県南予でも久しぶりにM4級の地震がありました。 M4以上は2015/7以来、前回の有感地震としてもほぼ1年ぶりのようです。 このあたりは南海トラフ巨大地震の想定震源域で、以前から長期的なスロースリップ現象が継続して確認されている場所でもあります。 スロースリップとは、通常の地震によるプレートのすべり(スリップ)よりもはるかに遅い速度で発生する滑り現象で、海溝などの沈み込み帯ではよく見られる現象です。 「スロー地震」「ゆっくりすべり」などとも呼ばれます。 南海トラフでは、ユーラシアプレート(アムールプレート)の下にフィリピン海プレートが沈み込んでおり、比較的広範囲で継続的なスロースリップが観測されています。 南海トラフ巨大地震の発生する可能性がもっとも高まると考えられているのは、地震研究の最前線では2030年代に入ってからと言われています。 (とは言え、政府 地震調査研究推進本部の公式見解は「科学的に高確度な予測は不可能」となっています) このような大きめの地震があったからと言って、すぐに「前兆では?」と必要以上に怖がる必要はありません。これまでも繰り返されていることでもあります。 ただし安心してしまってはいけません。日頃からの備えをしっかりとおこなっておきましょう。

【東北・関東】東日本大震災から8年目の3.11に東北〜関東の太平洋側では微妙な地震が相次ぐ(2019/03/11)

東日本大震災から8年の2019/03/11は、東北〜関東の太平洋側では微妙な地震が相次ぎました。 日本列島周辺では体感しない規模の地震を含めれば、1日あたり数百回規模で地震が起きていますが、有感地震がこのような状況で起きるとつい身構えてしまいます。 この領域(東北〜関東の日本海溝沿い)では今後30年内にM7〜8クラスの地震が発生する可能性が高いので、備えはしておきましょう。 東日本大震災以降、東北〜関東の日本海溝沿いでは依然として活発な地殻活動が継続中です。しかしデータを見ると、「地震の空白域」とみられる領域がいくつか存在します。東北〜関東であれば仙台や鹿島の陸に近い沖合、房総半島の南東沖などに。 また、南海トラフ巨大地震の想定震源域においては、高知の沖合に不自然なほど過去に地震が発生していない領域が存在します(南海トラフ自体は年間6.5cm程度動いているにも関わらず)。 ともあれ、日本には世界に16枚しかないプレートのうち4枚が存在し、その境界において活発な地殻活動が継続している場所に位置しています。 そして国内各地で楽しめる温泉や農作物を育む豊かな土壌が形成されたのは、こうした活発な地殻活動に由来する要素でもあります。 日本に住む以上、地震や噴火とは否応なしに付き合わざるを得ない現実を、どう受け止め乗り越えていくのか。 大人世代だけでなく、子・孫の世代も含めて大局的に考えて対策を講じていく段階に入っていると言えるでしょう。

【岐阜】美濃中西部で起きた地震の震源と周辺の主要な断層帯(2019/03/09)

2019/03/09の01:08頃に岐阜県美濃中西部で起きた地震の震源と周辺の主要な断層帯を図示してみました。 この辺りは4つのプレート(ユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート)の動きで形成されたとされる日本アルプスの西側で地殻活動が活発であるゆえ、これら以外にも多数の断層が存在し火山もあります。 糸魚川-静岡構造線の東側が「フォッサマグナ」です。 これは地質学において東北日本と西南日本の境目となる領域で、古い地層でできた本州の中央を「U字型」の溝が南北に走り、その溝の中に新しい地層が堆積した地質構造となっています。 図の中ほどには2014年9月に噴火した「御嶽山」があります。この噴火では、火口付近に居合わせた登山者のかたがた58名が亡くなられるという痛ましい噴火災害となりました。 この噴火で何故これほどの人数が犠牲になっていまったのかと言う点については、3つの要素があると言われています。 それは、ちょうど「紅葉シーズン・天気の良い週末・そしてランチ時」だったというものです。これによって山頂付近には多くの登山者が居合わせることとなってしまいました。 しかも、この時の御嶽山の噴火警戒レベルは「1」の段階で噴火しています。噴気の勢いや硫化水素臭が普段と異なるなどの前兆現象はあったようですが、火山性微動などの点に関しては入山規制などの根拠となる条件にならなかったようです。 近年の自然災害は事前の予測が困難であったり、発災後は被害が大規模化する傾向にあります。 災害対策の基本は「自助」ですが、内閣府が公開している平成30年版の防災白書によれば大地震に対する備えとして「特に何もしていない」という方々が約10%も存在します。 『いざその時』がやってきた場合、備えの有無でその後の被災生活の内容や質は大きく変わります。そして自助があって初めて共助が成り立ちます。 助け合いも備えがあってこそ。状況によっては「厳しいようだが助け合えない(助けられない)」ということもあるでしょう。各ご家庭でも平時からの備えを、無理なく日々の生活の中に組み込んでみてください。

【岐阜】岐阜県美濃中西部で最大震度4・M4.5の地震(2019/03/09)

2019/03/09の01:08頃、岐阜県美濃中西部で最大震度4・M4.5の地震がありました。明治24年の濃尾地震の震源近くです。 この震源では過去10年で起きた震度3以上の規模は5回程度の模様。 -------- 【岐阜県美濃中西部での過去10年の震度3以上】 2017/01/10 06:52頃, 震度3, M3.9 2015/03/04 00:04頃, 震度4, M4.9 2014/08/24 10:57頃, 震度3, M3.4 2009/02/22 12:40頃, 震度3, M3.6 2008/10/01 09:25頃, 震度3, M4.2 -------- 南海トラフ巨大地震の想定震源域からは外れますが、岐阜県内の南海トラフの固着域の北端あたりのようです。 濃尾地震の震源と今回の震源との距離はおよそ30km弱。濃尾地震は、1891年(明治24年)10月28日に濃尾地方で発生した、日本史上最大の内陸地殻内地震です。 岐阜県内の断層帯は小さなものも含めると数多く存在しますが、今回の震源の近くには根尾谷断層帯をはじめとした揖斐川断層帯・武儀川断層帯・関ヶ原断層帯・養老断層帯などがあります。 ご存知の通り岐阜県・富山県・長野県・新潟県にまたがる飛騨山脈を含めた「日本アルプス」は、プレートテクトニクス理論に基づけば、プレートがぶつかり合って隆起したものと考えられています。 特に、日本の高山の大部分は日本アルプスに集中しており、日本アルプスを構成する飛騨・木曽・赤石山脈は、日本列島を東西南北に分ける中央構造線とフォッサ・マグナに沿って存在しています。つまり、このあたりは地殻変動の激しい場所とも言えます。 内陸断層型の地震は海溝型と違い予知予測が難しいことは、熊本地震・大阪府北部地震・北海道胆振東部地震など近年の大規模地震でも明らかです。 いつ起きても対応できるように、備えだけはしておきましょう。万が一の大地震の際は、店頭から水食料などがあっという間に売り切れます。