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【備災メシ】基本のクッカー炊飯

「ご飯を美味しく炊く」…高性能な電子炊飯器が必要だと思い込んでいませんか?実はアルミ鍋(クッカー)で簡単に炊けるんです。

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被災時のみならず、アウトドアや山メシに欠かせない食事の基本の1つは「ご飯を炊く」こと。アルミクッカーを使えば、固形燃料1個でご飯1合が美味しく簡単に炊くことができます。しかも火力調整も不要な「自動炊飯」が可能です。

100円ショップでも売っている固形燃料を使ったクッカー炊飯を身に付けておけば、電気が無い状況でも美味しい炊きたてご飯をいただくことができます。コツは「水の量」「吸水時間」「蒸らし」の3つだけ。

そして「お米」は優秀な備蓄食材。電気が無い状況でもご飯を炊けるようにしておけば、被災時でも温かい食事を取ることができます。

使用する調理道具

・「山クッカー角形3の小鍋(1合炊飯用)」
・「esbit ポケットストーブ
・「UNIFRAME バーナーパット(あれば)」
固形燃料1個

材料(2人分)

・無洗米(1合:160g)
・水(220ml:炊飯用)

備災メシ』とは、アウトドア料理や山メシのレシピを参考に被災時の生活環境を意識して、基本的に生鮮食品を使わず長期間の保存・備蓄が可能な食材を主な材料として作る、極力簡単で美味しい食事のことである。

材料(と調理用品)です。ご飯とお水、炊飯器となるアルミクッカーとesbitポケットストーブ、そして固形燃料。

お米は無洗米で1合160g。備蓄品として米を選択する場合は、無洗米にします。被災時は使える水の量も限られますから、お米を研ぐための水は省きたいので、すぐに使える無洗米がベスト。

お米1合160gに対して、使う水は220ml。グラム換算して問題無いので、水220gです。

よくある固形燃料です。100円ショップでは3個入りで販売されています。燃焼時には残留物が出るので、下にアルミホイルを敷いておきます。

炊飯に使うアルミクッカー。今回はユニフレームの「山クッカー角型」の小鍋です。1合炊飯にはぴったり。炊き込みご飯を作るときは、1合でも大鍋を使いましょう。

ではクッカーにコメを入れます。

そして水を投入。空のクッカーを「はかり(キッチンスケール)」に載せて0gにリセットして、米160gを入れさらに水を追加して総重量380gにしてもいいです。

「はかり」や水の量を確認できるボトルが無ければ、山クッカー角型の小鍋で1合炊飯に最適な水の量は、この4つあるリベットの下段の上ギリギリで。

フタをして十分に吸水させます。最低でも30分。1時間吸水させれば、まず失敗することはありません。

クッカー炊飯時にオススメしたいオプション用品の「バーナーパット」。クッカーに底面に当たる炎を均一に分散させてくれるので、加熱部分が偏らないように調理できます。

30分以上の吸水が終わったら、炊飯準備。室内で炊くときは喚起を良くし、キッチンシンクの横でこのようなバットの中に熱源とクッカーをセットするといいでしょう。吹きこぼれても受け皿になり、万が一の場合でもバットごとシンクに放り込んで水を掛ければ消火も簡単。

では、固形燃料に着火して炊飯開始です。火加減は「はじめチョロチョロ、中パッパ」と昔から言われますが、ここでは何も調節するものはありません。このまま固形燃料の火が消えるまで放置します。

単なる炊飯作業だけで終わっても面白くないので、「備災メシ」観点での副菜を準備。おかずは缶詰め、汁物としてフリーズドライのスープです。どちらも保存食・非常食として備蓄できるものです。

炊飯中のクッカーの上に、おかずとなる缶詰めを置いておきます。炊飯の状態が進むと、中から水分が吹いてくるので「重し」の意味もあります。アウトドアでの炊飯時は、石なんかを置きます。

はい、吹いてきました。「メスティン」でも同じように炊飯できますが、山クッカー角型は鍋のフチが丸く加工してあるため、吹きこぼれも少なく穏やかです。

そうこうしているうちに、固形燃料ももうすぐ燃焼完了。燃焼時間は季節や気温によっても屋内か屋外かによっても違いますが、冬場の屋外でなければ基本的に1合炊くのに固形燃料1個で十分です。

固形燃料の火が消えたら蒸らしに入ります。タオルに包んでそのまま15分ほど置きます。

このような保温バッグがあればバッチリ。これも100円ショップで販売されています。おかず用の缶詰めも併せて温めます。

15分の蒸らしが終われば完成です。お米は立ち、ちゃんと「カニ穴」もできています。高級電気炊飯器が無くても、実に美味しいご飯を炊くことができます。

底の方はどうなっているかと言えば、このようにこびり付くことも焦げ付くこともありません。もし「おこげ」が欲しければ、水の量をもう少し減らしてもいいでしょう。

では、せっかくおかずも準備しているので、器(シェラカップ)に盛っていきます。

フリーズドライのスープを作ります。開封して中身にお湯を注ぐだけの簡単なお仕事です。

温めてあった缶詰めも準備しましょう。今回は「いなばのツナとタイカレー」「キョクヨーのつくね・たれ味」です。

「備災定食」の出来上がり。スープは青物にすれば良かったところ。いずれにせよ、備蓄品としてお米、ミネラルウォーター、缶詰めとフリーズドライ食品を準備しておけば、このようにちょっと充実した食事を取ることが出来ます。

おまけとして、固形燃料とポケットストーブの後始末。固形燃料が燃焼完了すると、このように黒い残留物が出ます。ポケットストーブの上で直接固形燃料を燃やすと後始末がちょっと面倒なのです。

固形燃料の下にアルミホイル敷いておけば、このように分離できるので後始末も簡単です。ポケットストーブ側には軽くススが付く程度で、ほとんど汚れません。

あとは、アルミホイルごと丸めて捨てるだけ。アルミホイルを折り畳んでポケットストーブ内に常備しておくと便利です。

まとめ

ボーイスカウトやキャンプで「飯盒炊爨(はんごうすいさん)」を経験したかたもいるでしょう。大鍋でカレーを作るチームと飯盒(はんごう)を使ってご飯を炊くチーム。飯盒チームに配属されると責任重大です。焚き火でご飯を炊き、炊き上がったらひっくり返して蒸らしてる間に、飯盒の底を木の枝でカンカン叩いたりしたものです。

焚き火は火力調整も難しく、火が強すぎてご飯が焦げてしまったり、水が足らずに芯の残った仕上りになってしまったり。それでもアウトドアで炊くご飯は美味しいものです。そして飯盒底の「カンカン叩き」、飯盒の底がへこむだけで実はあまり意味は無かったと大人になってから知ったときの気持ちは微妙なものでした。

ご飯を炊くには火力調節が最重要。日本では昔から炊飯のコツを「はじめチョロチョロ、中パッパ、ジュウジュウ吹いたら火を引いて、赤子泣いてもフタ取るな」という唄で表してきました。市販の高機能なコンピュータ制御の電気炊飯器も、こうした時系列での火力調節の最適な自動化を追求し、近年は「羽釜炊き」「土鍋炊き」「真空圧力炊き」など様々な付加価値的な機能を備えるに至っています。

もちろん、これらを使えば美味しいご飯が炊けますが、被災時やアウトドアでは基本的に電気は使えません。電気炊飯器を使わずにご飯を炊くとなると、やはり「はじめチョロチョロ・・・」となりそうですがさにあらず。コツさえつかめばとても簡単です。アルミクッカーと固形燃料、そしてポケットストーブさえあれば美味しい炊きたてご飯のできあがり。

被災時の食事に、温かいご飯とスープがあるだけでもホッとするものです。寒い時期であればなおさらでしょう。もちろん、アウトドアや山メシとしても炊飯は食事の基本の1つ。普段の食事にも、練習を兼ねて「クッカー炊飯」を取り入れてみてはいかがでしょうか。「ご飯を炊く」ことそのものを楽しめる時間にもなります。

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