もっともシンプルに作る場合の基本の材料はコレだけです。即席麺を茹でて、鯖缶の中身をほぐして混ぜるだけで出来上がり。
ですが今回はより美味しくするために、備蓄品としても優秀なこのあたりの瓶詰めと乾燥ワケギを用意しました。缶詰と同様に瓶詰め類も常温で長期保存できるので、いざという時にもとても便利。
材料と用品です。即席麺は太麺が美味しいですが、基本どれを選んでもいいでしょう。早茹でパスタも3分バージョンを使えば作り方は同じ。
即席麺を茹でるためのお湯を沸かします。使うクッカーは「MSRアルパイン・ストアウェイポット」。写真のものは後からテフロン加工を施した特別バージョンですが、一般販売品は内部も総ステンレス製です。
お湯が湧いたら即席麺を茹でましょう。「MSRアルパイン・ストアウェイポット」はキッチンでの普段使いもできて、長い柄を使ってフタを密閉できるので簡易圧力鍋的にも使えます。アウトドア用や備災用のみならず、一人暮らしのシングル・ライファーにも最適。
規定時間より20〜30秒程度早めに湯切りします。お湯を捨てるだけでもいいですが、普段メシ用であればここで冷水で洗い〆めするとコシが出ます。
味付けの主役は、この鯖の味噌煮缶詰。汁ごと丸ごと使います。缶詰は100円ショップで売ってるほど安価かつ常温で長期保存ができるので備蓄には最適、さらに原材料も避けたい系の添加物がほとんど無く極めてシンプルなものが多いので、普段の食事にもっと取り入れたい食材です。
では、おもむろに鯖の味噌煮缶の中身を湯切りした麺に全量投入して、ほぐしましょう。八重山諸島で食べられている「からそば」的に作るなら、基本的にはこれで混ぜればもう完成です。
「缶ヅ麺」としては、やはりもうひと手間を掛けます。トッピングを加えて中華テイストに仕上げていきますよ。まずはおろし生姜を小さじ2程度。備災メシではお馴染みの「桃屋のきざみしょうが」が推奨ですが、チューブショウガやもちろん生ショウガを摩り下ろしてもOK。
そして、食べるラー油を小さじ1〜2。辛党のかたは多めでもいいでしょう。今回は「エスビー食品・俺たちのパラパラおかずラー油」です。油を減らしたバージョンで扱いやすくなりましたね。
おろしショウガと食べるラー油を入れたら、全体的によく混ぜます。お好みでここにお酢を入れても美味しいです。お酢を使うなら寿司酢が合います。
最後に、盛り付けてメンマ類(今回は桃屋の「やわらぎ」)とネギを仕上げにトッピングすればできあがり。安いサバ味噌缶でもとても美味しくいただくことができます。普段メシにも、アウトドアやキャンプ用のレシピとしても簡単便利です。
即席麺を使うと添付のスープが残りますが、乾燥ワカメや乾燥野菜などを揃えておくと立派なスープとして利用できます。即席麺だけでは炭水化物中心になってしまいますが、こうすれば缶詰でタンパク質・添付のスープと乾燥食材を使えば野菜類を摂ることができます。
缶ヅ麺、もう1バージョンいってみましょう。今度は「いわしのトマト煮」の缶詰を使います。
ちょっとしたイタリアン・テイストにしてみるので、トッピングや味付け用にショウガ・ニンニク・マヨネーズ。そしてブラックオリーブを用意。作り方は一緒で麺を茹でて缶詰などを混ぜるだけです。簡単ですね。
できあがり例。早茹でパスタを使えばよりイタリアンな雰囲気になりますし、トマトピューレやアメ色玉ねぎなどを加えても美味しいです。もちろん、使用食材はすべて備蓄可能なものばかり。(トマトピューレやアメ色玉ねぎなども、今では小分けレトルトパウチで販売されているので、入手しやすく便利です)
今回はカラダにいいDHAやEPAが豊富に含まれるいわゆる「青魚」系の缶詰を使いました。サンマの蒲焼缶や鯖の水煮缶などを使っても美味しいですし、趣向を変えて焼き鳥缶などを使ってもいいでしょう。アレンジ自在なのが「缶ヅ麺」です。
ヒントにしたオリジナルの「からそば」は、沖縄の八重山地方などで袋麺として販売されている八重山そばに鯖缶などを加えるだけのシンプルなメニューです。戦後まもなくの頃あたりから、漁業や港湾などの仕事をする人達を中心に、八重山そばの袋麺に鯖缶の中身を直接入れて袋ごと混ぜてほぐして食べられていたものがベースと言われています。缶詰を活用したシンプルで美味しいレシピとしては、実はこれが完成形なのかもしれません。