トップ レビュー 【特集】市販の非常用持出袋(防災セット)の徹底レビュー!

【特集】市販の非常用持出袋(防災セット)の徹底レビュー!

全国各地で増えている地震、備えておきたいのが「非常用持出袋」。市販品には何が入っている?どれを買えばいい?どこまで使える?何が足りない?そんな気になるポイントを『実際に購入して』徹底レビュー!

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熊本地震や鳥取地震以降も、絶えることなく全国各地で地震が起きています。必要最小限として「非常用持出袋」の用意を検討しているご家庭も多いでしょう。しかし用品を自分で揃えようとすると「必要最小限なものと言っても、具体的にそれが何かよく分からない」という方も多いのでは。

そんな時に便利なのが市販の「非常持出袋」や「防災セット」。とりあえずご家庭で必要な数を購入しておけば、まずはひと安心。その上で足りない物などを買い足せばいい。では実際の市販品にはどういったものがあって何が入っているのか?編集部では今回実際に購入して内容を確認してみましたので、その徹底レビューです。

備災FUN!』では、次の震災・災害に備える「備災」をテーマに、被災時にも大活躍のアウトドアグッズを日常で活用して「楽しみながら備える」情報をメインに発信しています。

市販の「非常用持出袋」「防災セット」は、ホームセンターからネット通販まで様々なものが販売されています。傾向としては、

① 細かな便利グッズ含めて多数の用品をパッケージにした「網羅型」
② 必要最小限のものに絞り込んだ「集中対策型」

に分類されます。いずれも「被災直後の3日間を乗り切る」という方向性では共通しています。具体的にネット通販で販売されているもので評判のいいものをいくつかピックアップしてみました。

いずれもレビュー的に高評価のものですが、今回はこの中から「集中対策型」系として、ザッカウ(zackau)さん販売の『選べる防災セット 【緊急非難】ガードライフDX【男女各1名様分】+増量プラス+資生堂【水のいらないシャンプー】付き』を実際に購入してみました(サンプル提供品等ではなく、編集部予算で正規購入です)。

今回購入した非常用持出袋の内容のすべてがこちら。点数的には多くはありませんが、結論から先に書くと「用途や場面に応じて使い分けしやすいものがバランス良く揃えてある」構成になっています。

収納品リスト。「男女各1名」の合計2名用途です。震災や災害発生直後の初動避難時に使えるものから保温や衛生面に考慮したモノ、夜間対応のための光源、情報収集に欠かせないラジオ、避難後に利用できる非常食など。

それでは、被災直後のシーンに応じた想定で各用品を見ていきます。

地震・災害発生直後、避難行動開始時に利用できるモノ

2人分の軍手、スリッパ、ホイッスル付きLEDライト。震災発生直後にすぐに避難開始する場合の必需品ですが揃っています。阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震クラスの大震災では室内で食器やガラスなどが割れて散乱しましたが、まずは軍手とスリッパがあれば移動を開始できます。これらは、非常持出袋に入れっぱなしにするよりは、ベッドサイドに常備しておきたい品。

ライトがあれば夜間も対応可能、小さなライトでもあると無いとでは雲泥の差が生じます。また閉じ込められてしまった場合でも、ホイッスルがあれば何とかなります。今までの震災経験者の話しでも、ホイッスルがあればもっと早く助けてもらえたのでは、という言葉をよく聞きます。

携帯用スリッパはコンパクトな折りたたみタイプ。東日本大震災を経験した編集部スタッフは、当時室内にあったコーヒーメーカーが落ちて割れてガラスが散乱した状況から屋外へ出たときの記憶が蘇ります。

靴底は厚手ではありませんが、割れて散らばったガラス片の上を移動する程度には十分使えそうです。移動時に使わなくとも避難所で活用できます。多くの場合、避難所となるのは学校の体育館などの施設ですが、その床は冷えるもの。このスリッパは比較的柔らかめの素材なので、足先を保温する用途にも使えます。

スリッパには収納に便利な巾着袋が付属品として付いています。余裕のあるサイズなので、折り畳んだスリッパと一緒に携帯用のポケットティッシュやウェットティッシュなどを別途用意して入れておくと便利です。避難時はなかなかお風呂に入れませんから、素足の先や裏などを定期的にウェットティッシュで拭いたりして清潔を保つことも大切です。

避難所などで暖を取る時に利用できるモノ

避難先となるのは避難所指定された学校の体育館や公共施設などが中心ですが、車中泊や全半壊した自宅などに身を置くことも多いもの。冬場はもちろんのこと夏場でも明け方は冷えることがあるものです。保温や暖を取るグッズも欲しいものですが、こちらも揃っています。

アルミシートはアウトドアでも定番品。敷いて使うことが多いですが、掛ける・かぶるなど様々に使えます。夏以外の3シーズンであれば、長時間使えるカイロは便利ですね。5個入っています。

アルミブランケット。「エマージェンシーブランケット」とも呼ばれる極薄素材でできた防寒・防風用品です。災害時や登山などで毛布などを確保できない場合に便利なもの。意識を失った被災者がいた場合は、これで身体を包むと体温低下を防ぐことができます。小型薄型でかさ張らないため、通勤通学用のバッグの隅に入れて置いて損はありません。

このブランケットの場合は防水ポーチ入りなので、少額の金銭やカード類、スマートフォンなどを入れることができます。

というわけで試しにスマートフォンを入れてみました。左はiPhone5s、右はiPhone6s plusです。iPhone6s plusサイズの大型スマホの場合は、残念ながらジッパーを閉めることができないサイズになるので密封することができないため、別の格納方法が必要なことが判ります。iPhone5s程度のサイズのスマホであれば、十分余裕を持って格納できます。

iphone6s plusを入れた状態のジッパー部分。かなり惜しいサイズですが、スマホを入れることだけにこだわる必要はありませんので、この場合は金銭や免許証や保険証などのカード類を入れるほうが適していますね。このサイズの大型スマホの場合は、ジップロックなどのジッパー付きビニール袋などが適しています(入浴時に使ってるかたも多いでしょう)。

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