春から夏にかけての季節、アウトドア・ライフが楽しい時期です。休日のキャンプ場やバーベキューサイト、特に無料で利用できる場所では色とりどりのテントやタープが数多く並び、大きなバーベキューコンロで豪快に肉や野菜を焼いて楽しむ方々も増えていきますね。またシンプルな食事でも自宅で食べるのとは違い、外で食べると格段に美味しく感じるもの。
関東某所、休日の無料BBQサイト
「プチキャンプ」のススメ
これからキャンプを始められる皆さんも多いと思いますが、まずどこから始めれば良いのか迷ってしまう場合もあるでしょう。テントを買う?タープはどうする?バーベキューコンロはどれを選べばいいの?焚き火や炭火を使っているときにもし雨が降ってきたら?と疑問は尽きません。
そこでITOITO-STYLE編集部でオススメしたいのが『プチキャンプ』。ピクニック以上・デイキャンプ未満のコンパクト・スタイルです。大掛かりになりがちなテントやバーベキューコンロは使わずに必要最小限の装備で出かけ、短時間で設営でき撤収や移動もスピーディー。それでいて十分キャンプ気分を味わうことができる楽しみ方です。
無料で利用できるキャンプ場やバーベキュー場では、特に休日は大掛かりな道具を使う愛好家が多いので混み合います。しかし、それなりの設営スペースが必要なテントやタープが無ければ、混雑するエリアから外れた静かな場所が結構あるものです。そこを狙うのが「プチキャンプ」です。
設営スタイル①:ソロ用
近年は一人でおこなう「ソロキャンプ」を楽しむ人たちも増えています。YouTubeなどの動画サイトで検索すると、多くのソロキャンプ愛好家の皆さんの動画を観ることができます。
プチキャンプでの「ソロ・スタイル」は、このようにチェアとミニテーブルが1つづつあればすぐに楽しめます。ポイントは、軽くて快適に座れて小さく持ち運べるチェアやテーブルをチョイスすること。
ソロ・スタイルは孤独かと言えば、さにあらず。こうした場所でひとりでゆっくり過ごす時間は、仕事や人間関係ですり減ったメンタルを十分にケアしてくれます。
チェアワン(上)とテーブルワン(下)の収納状態。サイズ感を見るためにiPhone7 plusを置いてみました。いかにコンパクトであるかが判ると思います。しかし、広げると十分に実用的なサイズで、特にチェアワンはハンモックのような快適な座り心地です。
設営スタイル②:2人用
ソロもいいですが、カップルや夫婦に親子、気の合う親友と2人で出かけてみるのもオススメです。その場合はチェアは2つ。右側は先程のHelinoxのチェアワンですが、左側はもう少しリーズナブルなDOPPELGANGERのウルトラライトチェア。座面の高さ・角度が調整できるアジャスタブルタイプです。脚部の孔を見ると判りますが、前後で3段界の高さの微調整ができる構造になっています。
また、2人用の場合のテーブルはフィールドホッパーではサイズが足りないので、キャプテンスタッグのアルミロールテーブルを使用。シングルバーナーなどを使う場合は、こんな形で料理を囲んでつまみながらの会話がオススメです。
火器は使わず、お弁当&ドリンクを楽しむ場合は、Helinoxのテーブルワンとの組み合わせも快適です。テーブルを挟んで対面形式。食事の後はトランプやちょっとしたボードゲームなどで遊ぶのも楽しいですよ。
2人用で徒歩でも持ち運べる荷物量前提の理想形。チェアとテーブルワンをミニ・リビング的に使い、そばに置いたアルミロールテーブルで調理や湯沸かし。
お弁当や水筒に入れたホットコーヒーも美味しいですが、外でちょっとした調理をしたりお湯を沸かしてコーヒーを淹れていただくのは格別です。
車で出掛ける場合は、アウトドア・ユーザーには定番のユニフレームの「焚き火テーブル」もオススメです。持ち運びはちょっとだけかさばりますが、天板が金属製のためこの上で直接バーナー類を使ったり、熱い鍋類などを直接置くことが可能です。
設営スタイル③:3人用
家族3人程度でプチキャンプに行く場合は、車で行くケースが多いでしょうから最初から思い切って焚き火テーブルを用意しちゃいましょう。重量は2.8kgですが、チェア類とともにまとめて収納できる大型のトートバッグを使えば意外と運べてしまいます。
チェアも背もたれが長く(高く)寄りかかれるタイプのものがあります。写真左はセカンドステップのリラックスチェア。座り心地も良く比較的頑丈なので、荷物を運ぶ人の休息用にピッタリ。
3人用プチキャンプの理想的な布陣。テーブルが2つあると小物を置いたり食材を置いたりと便利で捗ります。メインのテーブルは焚き火テーブルで行きましょう。煮炊き・湯沸かしとオールマイティに使えるタフなテーブルです。
食器類を置くと手狭になる場合は、脇にアルミロールテーブルを設置して予備の調理台としても使えます。例えば、こちらの記事「基本のクッカー炊飯」でご紹介しているようにご飯を炊いてしまうのもいいでしょう。今はレトルトやフリーズドライの食品の完成度が高いので、ちょっと高級なレトルトカレーやフリーズドライの具だくさんスープに、贅沢系の惣菜缶詰などを湯煎で温めて炊きたてご飯と一緒にいただくのもグッドチョイス。
3人程度のメンバーで行くとなるとついついバーベキューかと考えてしまいますが、炭火やバーベキューコンロの後始末は意外と面倒です。もし途中で天気が急変してゲリラ豪雨のような状況になると、楽しいアウトドアも悲しい思い出に。その点、こうしたコンパクトな楽しみ方は後始末もラク&エコ。
プチキャンプに適した道具のおさらい・チェア編
ということで、特にチェアとテーブルに着目してプチキャンプ向きの道具をおさらいします。まずはチェアから。
今回ご紹介したチェアは写真の右側3点。もっとも左側は参考までに用意したホームセンターなどでも手軽に入手できるオーソドックスなタイプのものですが、機動的に持ち運ぶことを考えると選択肢に入りません。
上記の写真と同じ並び順で、それぞれのチェアの収納された状態です。サイズ感を確認するために例によってiPhone7 plusを置きました。今回紹介したチェアがいかにコンパクトなものか、おわかりいただけるでしょうか。
それぞれ収納袋から取り出したところ。右側3点は、骨組みとなるアルミパイプと座面となる布部分がセパレートになっていて、アルミパイプ部分を組み立てた後に座面をセットする形になります。
左端のチェアは、かさばりますが広げるだけで使用可能な状態になるので用途によっては便利に使えるものの、気軽に外に持ち出すにはちょっと抵抗がありますね。編集部スタッフは、自宅ベランダ専用として使っています。
プチキャンプに適した道具のおさらい・テーブル編
チェアと共に快適なプチキャンプ空間を作ってくれるのがアウトドア用のテーブル類です。様々なサイズ・材質・形状のものが出回っていますが、今回ご紹介したのはこの4点(本記事の最後にそれぞれのamazonリンクのまとめがあります)。
気軽に外に持ち出せて実用的で便利なものと言う点では、左端のHelinox「テーブルワン」。天板はナイロン製のため卓上で火器は使えませんが、プチキャンプ専用としてもいいくらい優れた製品です。各種スポーツや釣りなどのお供にも最適。
中央左側のユニフレームの焚き火テーブルは、かさばりはするもののヘビーデューティー向きでタフな使い方ができます。宿泊前提のキャンプでも定番品で、熱いダッチオーブンなどを直接置けるのはもちろん、ミニ焚き火台程度ならこの上で直火を使えるほど。本格キャンプでは、設営の最初にこれを設置して、荷物置きに使うユーザーも多いようです。
右側の低め&小さめの金属製のテーブルは、サブ用途として便利です。特に、シングルバーナーなどを使う場合は1つは用意しておきましょう。
テーブルワンと焚き火テーブルの収納状態。テーブルワンはこのようにコンパクトになりますが、焚き火テーブルは脚部を天板の裏側に収納した状態。どちらもとても使い勝手の良いものです。車をお持ちの方は、トランクルームやリアカーゴ部に常備しておくのもいいでしょう。
アルミロールテーブルとフィールドホッパーの収納状態。サイズ感は、iPhone7 plusと比較してみてください。特筆すべきはフィールドホッパーの小ささ・薄さ。シングルバーナーのお供として風よけのウィンドスクリーン等と一緒にしておけば、アウトドアでのちょっとした調理の際にも大きな不自由はありません。
慣れてきたら・・・
プチキャンプに慣れてきたら、次に揃えたい道具は暖かい時期ならテントよりもタープがオススメです。例えばこれは「ヘキサタープ」という種類のもので平面に置くと六角形の形状のもの。日陰を作る・雨濡れを防ぐ・プライベート空間を確保するなど様々な用途で利用でき、低く設置すれば簡易テントやシェルター的な使い方も可能です。
タープ内からの眺め。こうした空間を確保できると、また一味違う雰囲気を楽しむことができます。このタイプのタープの設置はちょっと難しいイメージがありますが、慣れてしまえば実に簡単で一人で短時間での設営も十分可能です。一人用〜多人数用まで様々なサイズ・形状のものがあるので、「タープ探しの旅」を楽しんでみるのもいいでしょう。
まとめ
「プチキャンプ」のススメ、いかがでしたでしょうか。大掛かりな道具をいきなり買い揃える前に、こうしたコンパクトな道具から始めるスタイルは、その後もストレス無く快適なステップアップにつながります。
春休みやゴールデンウィーク・夏休みに秋の連休と、外に出る機会はたくさんあります。最初にテントやタープに大きめのバーベキューコンロを買い揃えてキャンプ場やバーベキューサイトへ出かけてはみたものの、大混雑でお隣のバーベキューや焚き火の煙が直撃してきたり、天候急変でいきなり雨に降られて慌てて炭火の始末やテントの撤収などをするのはけっこう面倒です。
まずはプチキャンプで「いきつけの場所」と「混雑しにくい場所」を自分なりにいくつか見つけておくと、次にテントなどを揃えての本格キャンプの際にもスムーズです。何より、森林の中や木樹の間・水辺などで食事をしたり淹れたてのコーヒーを飲みながら、読書をしたり音楽を聴いたりといった静かな時間を過ごすのは贅沢なもの。日頃のストレスから解放される「魂の洗濯」ができます。
ということで、次の休日に「プチキャンプ」に出かけてみませんか?