「コット」使ってますか?
キャンプでの就寝時に熟睡できると人気のアウトドア用ベッドである「コット」。
主にアルミポール・フレームに身体を横たえるためのシートとなる布地を張ったシンプルな構造で、地面から数センチ〜数十センチほど浮いた状態で寝ることができ、耐荷重性に優れたものが大半であるため体重がそれなりあるかたでも快適な睡眠を得られます。
また自宅での来客時の簡易ベッドやオフィスでの仮眠用などにも使え、災害発生時にやむを得ず地面や床に寝ることになった場合にも活用できるので、「寝るためのアイテム」として1つ持っておくととても重宝します。
米国では災害時の避難所に大量の「コット」を用意
米国では毎年のように、大型のハリケーンや竜巻による被害が出ており、大規模災害時には「メガ・シェルター」と呼ばれる数千人を収容できる避難所が開設され、避難者のための生活空間や医療サービスが提供されます。
日本でも震災などの大規模災害時に各地の学校の体育館や公民館などが避難所として開放されますが、就寝環境としては基本的に床での「ざこ寝」です。
しかし米国では、このように大量の「コット」が用意され、避難者が床で寝ないで済むような施策を取る避難所もあります。
このように備災・防災用としても、キャンプなどのアウトドアでも、日常使いでも活用できるのがコットの便利な点です。
(上記画像出典:KERA NEWS より)
コット5種類を実際に買って徹底検証、オススメはコレ!
オススメするには実際に試してみないと説得力がありませんよね。というわけで、実際に複数のコットを購入してみました。すべて編集部スタッフがキャンプで使っています。
さて、今回検証したコットは次の5種類。
ITOITO-STYLE編集部の独断と偏見によって、目的別のオススメ順に並べてみました。
このまま読み進めていただいても構いませんが、気になるコットがあれば、下記の青色のリンクから個別のレビューを直接ご覧ください。
(各レビュー記事は次ページ以降となります)
■キャンプに最適、軽量で持ち運びやすく組み立てやすい順(女性や子供でも簡単に組立可能)
① Qualz
「2WAYライトビームコット」
② Helinox
「ライトコット」
③ Desert Walker
「折りたたみ式キャンピングベッド」
④ Helinox
「タクティカルコット・コンバーチブル」
⑤ LOGOS
「FDコットDX」
■自宅やオフィスでの簡易ベッドに最適な順(据え置き向きで収納しやすく丈夫であること)
① Qualz
「2WAYライトビームコット」
② LOGOS
「FDコットDX」
③ Helinox
「タクティカルコット・コンバーチブル」
④ Helinox
「ライトコット」
⑤ Desert Walker
「折りたたみ式キャンピングベッド」
■とにかく価格重視派にはリーズナブルな価格順(価格は記事執筆時のものが基準)
① Desert Walker
「折りたたみ式キャンピングベッド」:約1万円弱
② LOGOS
「FDコットDX」:約12,000円
③ Qualz
「2WAYライトビームコット」:約14,000円弱
④ Helinox
「ライトコット」:約31,000円
⑤ Helinox
「タクティカルコット・コンバーチブル」:約42,000円
■キャンプに最適、軽量で持ち運びやすく組み立てやすい順(女性や子供でも簡単に組立可能)
① Qualz 「2WAYライトビームコット」
② Helinox 「ライトコット」
③ Desert Walker 「折りたたみ式キャンピングベッド」
④ Helinox 「タクティカルコット・コンバーチブル」
⑤ LOGOS 「FDコットDX」
■自宅やオフィスでの簡易ベッドに最適な順(据え置き向きで収納しやすく丈夫であること)
① Qualz 「2WAYライトビームコット」
② LOGOS 「FDコットDX」
③ Helinox 「タクティカルコット・コンバーチブル」
④ Helinox 「ライトコット」
⑤ Desert Walker 「折りたたみ式キャンピングベッド」
■とにかく価格重視派にはリーズナブルな価格順(価格は記事執筆時のものが基準)
① Desert Walker 「折りたたみ式キャンピングベッド」:約1万円弱
② LOGOS 「FDコットDX」:約12,000円
③ Qualz 「2WAYライトビームコット」:約14,000円弱
④ Helinox 「ライトコット」:約31,000円
⑤ Helinox 「タクティカルコット・コンバーチブル」:約42,000円
コット使用時の注意点
① ファミキャンで家族の人数分を用意する場合、とにかく組み立てやすいものを選ぶ
② 体重がそれなりにある場合は、耐荷重仕様を予め確認する
③ 設置時の基本は地面に直接置くか、テント内に入れるときはフロアに保護材を敷く
①の組み立てやすさは、2個目以降で体力的に効いてきます。ソロキャンプであれば好みの一点モノを選べばいいのですが、コットによってはパーツが多く組み立てにかなりのチカラが必要なものもあるため、ファミキャンの場合はここで結構消耗します。
例えば家族3〜4人分のコットを用意してお父さんが1人ですべて組み立てる場合、軽量コンパクトよりも組み立てやすさに主眼をおいて選ぶことをオススメします。
②は、使う人が「わがままボディ」の場合にちょっと気になるものです。それなりの体重をお持ちの方がローコットを使った場合、寝た際にシートが地面や床についてしまう可能性もあります。
特にリーズナブルなノーブランド品的コットを使う場合は耐荷重のカタログスペックに不安が出ることがありますので、該当される場合は価格よりも信頼のおけるブランドの製品をオススメします。
③もかなり重要です。コットには地面と接するアルミフレームの「脚部」があります。ドーム型テントなどの寝室部分にコットを入れて寝る場合、コットの脚部とテントのフロア生地の接する部分には体重分の負荷がかかり、寝返りなどを繰り返すことで擦れていき、最後はテントのフロア生地に穴が開く可能性があります。
先人たちの知恵として、フロア生地とコット脚部が接する部分に
・厚めのゴム板を敷く
・テニスボールをカットしてかぶせる
・厚めの毛布を敷く
・ヨガマットを敷く(編集部試し)
等々のノウハウはありますが、就寝中は寝返りのたびにコットも微妙に動くので、ゴム板は脚部にしっかり固定できない限りズレますし、テニスボールも外れる可能性があります。
オススメできる方法は、厚めの毛布やヨガマットあたりを敷くこと。ただし薄い毛布の場合はテントフロアが傷つく可能性が捨てきれないので極力厚めを、ヨガマットの場合も7mm以上の厚めのものがいいですが、体重がかなりある場合はヨガマットの素材によってマットに穴が開く可能性があります。
これは実際にヨガマット(厚さ8mm、TPE素材)を MSR Elixir 3 というドーム型テントに入れたところです。
市販のヨガマットには次のようにいくつか種類があります。
・PVC (ポリ塩化ビニール)
・PER (ポリマー環境樹脂)
・NBR (ニトリルゴム)
・TPE (熱可塑性エラストマ)
・EVA (エチレンビニールアセテート)
・麻 (ジュート)
・天然ゴム
このうち、素材がPVC, PER, NBR, 天然ゴムのものは素材由来の「ニオイ」があるので、寝室となるインナーテント内に敷くには不向き。EVAは軽量ですがコットの下に敷くには素材が傷つきやすいのでこちらも不向き。
(上記写真は、MSR Elixir 3 に入れたヨガマットの上にコットを置いた状態)
麻は厚手のものが必要になりますが、厚手になるほど重量が増え価格も上がります。唯一の選択肢としては、TPE素材のものになります。ただし、こちらも使う人の「体重」の値が上ぶれしていたり上昇志向の場合は傷がついたり穴が開く可能性があるので、テントに入れる前に自宅で試してみましょう。
なお、冬キャンプで使うようなアルミマットは厚手のものでもコットの下地としては確実に穴が空くので使わないようにしましょう。
各製品ごとのレビュー
では、実際のレビュー内容に関しては次ページからとなります。
前述の各コット名のリンクか、下記のリンクからそれぞれのコットのレビューページへ移動してください。
① Qualz 「2WAYライトビームコット」
② Helinox 「ライトコット」
③ Desert Walker 「折りたたみ式キャンピングベッド」
④ Helinox 「タクティカルコット・コンバーチブル」
⑤ LOGOS 「FDコットDX」
先に「まとめ」
各コットの詳細レビューはそれぞれのページをご覧いただくとして、先にまとめてしまいます。
アウトドア用途の場合は
① インフレータブルマットやエアマット&寝袋よりは圧倒的に快適な寝心地
② シートのテンション(張り具合)が異なるため、ソフトかハードか好みを確認
③ 寝室用インナーテントに入れる場合はローコット、テントフロア保護必須
④ 2ルームテントのリビングにはハイコットが便利
⑤ 登山には不向き
となります。
編集部スタッフがキャンプで使う場合は、
・ドーム型テントに、ヨガマットを敷いた上にローコット
・2ルームテントのインナーテントに、ヨガマットを敷いた上にローコット
・2ルームテントのリビング部分の地面に直接ハイコット
というスタイルです。日常使いとしては、宿泊をともなう来客時の簡易ベッドや、オフィスでの仮眠用ベッドとしても十分活用できます。
災害時利用を考えた場合、避難所などでは病人救護用の簡易ベッドとしての活用となるでしょう。
さすがに避難所となった体育館などに個人で使うためにコットを持ち込むことは物議を醸す可能性がありますが、これはアウトドア・グッズや個人での備蓄品を災害時利用する場合に必ず課題となると考えます。
自宅が無事であれば基本は「在宅避難」で、日常生活で使っていたベッドや布団が何らかの理由で使えなくなった場合に、コットがあると活用できます。ぜひ検討してみてください。
次ページ以降、各コットの個別レビューはこちら:
① Qualz 「2WAYライトビームコット」
② Helinox 「ライトコット」
③ Desert Walker 「折りたたみ式キャンピングベッド」
④ Helinox 「タクティカルコット・コンバーチブル」
⑤ LOGOS 「FDコットDX」