トップ レビュー 冬キャンプに人気の「レインボーストーブ」を簡単に暖房性能アップ!

冬キャンプに人気の「レインボーストーブ」を簡単に暖房性能アップ!

冬キャンプでレインボーストーブ、使ってますか!?でも、もっと暖かくしたくありませんか? 今回はそんなレインボーストーブ・ユーザーの皆さんにオススメの、簡単に暖房性能アップ仕様に改造できるノウハウをお届け!

94591

本記事は、トヨトミ製・またはスノーピーク・ブランドの「レインボーストーブ(レインボーランタン)」に対してメーカー保証外の改造を実施するものです。簡単な手法ではありますが、万が一の場合は不完全燃焼や想定外の事故につながる可能性がゼロではありません。実施される場合は、あくまで自己責任にもと、細心の注意を払っておこなってください。

レインボーストーブをもっと暖かく!

この記事以降で確立した「煤(スス)」が出ない、簡単改造方法の最終形態のご紹介記事を公開しています。レインボーストーブの改造目的の場合は、ぜひこちらの記事も参考にされてください。

【スス無し】レインボーストーブ改造・最終版!
https://itoito.style/article/6295

 


冬キャンパーに人気の石油ストーブと言えば、フジカハイペットやアルパカストーブと並んで「キャンプ用ストーブ御三家」を構成すると言ってもいいのが『レインボーストーブ』。

(このストーブに関しては、すでにレビュー記事「寒い冬に被災した場合や冬キャンプに役立つ「石油ストーブ」」を公開しています)

トヨトミ社製でスノーピーク・ブランドでも販売されている、燃焼室のガラス筒に反射する幻想的な虹色の炎の美しさが特徴的なストーブです。編集部スタッフもそうですが、愛用されている方もかなり多いと思います。

しかし、フジカハイペットやアルパカストーブと比べて大きな違いがあります。それは燃焼室に輻射熱を発生させる金属製(ステンレス)のメッシュ構造やメタルパンチ構造のヒーターアタッチメントと、発生した熱を反射させるリフレクターが無い点です(そのおかげで、美しい炎のグラデーションを楽しめるわけですが)。

その点のある程度の解決が期待できるオプション製品として、遠赤コーティングされているガラス外筒が別途販売されていますが、冬キャンなどに使う場合は自分で工夫するのも楽しさの1つ。今回は手軽に入手できるグッズ2点を使って、レインボーストーブの暖房性能をアップさせる仕様に改造してみたいと思います。

備災FUN!』では、次の震災・災害に備える「備災」をテーマに、被災時にも大活躍のアウトドアグッズを日常で活用して「楽しみながら備える」情報をメインに発信しています。

※なお、改造するとメーカー保証が受けられなくなる可能性がありますので、実施される場合は自己責任とさせていただきます。簡単な改造ですが、万が一失敗した際の修理や買い替え等は編集部では応じかねますのでご了承ください。

また美しいレインボーカラーの反射と引き換えの改造ですので、こちらも予めご理解の上で作業してください。

改造に使う素材

材料はたったの2つ。

・台所のシンクの排水栓カゴ(ステンレス製:燃焼室での遠赤放射のヒーターアタッチメントを担当)
ステンレス板(遠赤放射の前方反射を担当:0.3mm厚・サイズは最低限140mm x 250mm以上)

いずれもホームセンターで購入可能なものです(amazonなどの通販でも購入できます)。

また、排水栓カゴではなく100円ショップで販売されている「茶こし」を使っても有効という話しもありますので、まずは手軽に「百均茶こしバージョン」から試すのもいいかもしれません。

改造のための準備

まずはレインボーストーブの持ち手・上蓋・ガラス筒を慎重に外していきます。特にガラス筒は傷つけたり落として割ったりしないよう、丁寧に扱ってください。

次に燃焼室用のヒーターアタッチメントとなる排水栓カゴ「SANEI H650AF」を準備。これが意外とジャストフィットなサイズ感で活用できます。(このH650AFにたどり着くまで、様々なグッズを探しました)

ヒーターアタッチメントとなるH650AFの取っ手は不要なので外します。(手作業で簡単に外れます)

そして、熱のリフレクターとなるステンレス板を準備。横幅250〜300mm、縦幅140mm〜170mm程度のものがベスト。編集部では250mm × 250mmサイズを高さ170mmにカットしました(切り口が微妙なのはご愛嬌。青く見えるのは薄いビニールの保護膜が貼ってあるためです)。

いざ改造!

まずはヒーターアタッチメントとなる排水栓カゴ「H650AF」を逆さまにして、レインボーストーブの燃焼室にセットします。特に固定はしません。「置くだけ」といった形になりますが、少々遊びが出る程度で収まります。

ヒーターアタッチメントのセット完了。ガラス筒との距離感と内部の燃焼芯との距離感が、意外とちょうどいい感じになります。

リフレクターとなるステンレス板を丸みを付けてセットします。250mm幅でこんな感じです。300mmでもいいでしょう。縦幅を170mmにすると、ちょうどこのくらいの高さまで覆われます。

0.3mm厚のステンレス板の張力で、特に改めて固定しなくてもいい感じの固定感が出ますが、より丁寧にやる場合は金属クリップで止めたり、ステンレス板に穴を開けて何らか固定するといいでしょう。

というわけで、サクッと完成です。ヒーターアタッチメントもリフレクターも「入れただけ・はめただけ」ですが、比較的しっかりと収まってます。

真横から見た図。燃焼室内の熱は、このステンレス板のリフレクターで反射してほぼすべて前方へ放射されます。

ヒーターアタッチメントとリフレクターの距離はこの程度。ヒーターアタッチメントが収まっている「根元」部分も、特に固定はしていませんが収まりがいいです。

あとはガラス筒を元通りに差し込んで上蓋とゴトクと取っ手をセット。以上で改造作業は完了です。改造というほどの複雑な作業はありませんでしたね。強いて言えばステンレス板のカットが生じる場合、それだけがほんの少々面倒なくらいです。

燃焼テスト

燃焼テストです。レインボーカラーの輝きは失われましたが、ほぼ反射型ストーブ化され、ヒーターアタッチメントが十分に加熱されてくるとなかなかの暖かさになります。(なお火力を全開にすると煤が出ますので、その点にご注意ください)

リフレクターの横幅が250mmでこの仕上がりです。300mmでもいいでしょう。ただ、250mmだとちょうどレインボーストーブの外枠の縦フレーム間にぴったり収まります。

対流型ストーブの熱を有効利用する上で心強い味方の「エコファン」を搭載。文句なしの暖かさになります。台座が薄めのこのタイプのエコファンだと、レインボーストーブの上蓋とそれを覆うゴトクの隙間にピッタリ収まって固定されるのもいい感じです。

リフレクターを付けてみて判りましたが、リフレクターの後ろ側の空間は暖かくないのです(リフレクター自体は熱いので注意!)。対する前方はかなりの暖かさ。

上昇した熱もエコファンによってほぼすべて前方へ送られるので、これなら冬キャンプのテント内でも(自己責任ですが)注意して扱えばかなり効率よく暖を取ることができそうです。

ソロキャンプであれば当然ですが、暖かいのは自分がいる側だけで良いわけです。その点でこの改造はピッタリ。しかもリフレクタ後方は熱くないので、タープやテントに多少近くても問題なし。

持ち運びに多少気を使いますが、エコファンも携行すればキャンプでのレインボーストーブの性能を無駄なく発揮することができます。

まとめ

簡単な改造方法だと思いますが、これが想像以上に暖かくなります。併せて、レインボーストーブ本体には特に加工の必要は無くいつでも元の状態に戻せる点もポイントです。

家庭用の反射型ストーブの暖かさはやはりあの赤く輝く燃焼室のメッシュ構造による輻射熱と、それを前方に送り出すリフレクター構造にあります。それをできる限り簡単にレインボーストーブに実装してみようというのが今回の試みでした。

ヒーターアタッチメントとして使用した排水栓カゴの「H650AF」は、比較的サイズが大きいぶん横方向の暖かさが確保されるようです。

一部のキャンパーの方は、すでにコンロ用のウィンドスクリーンなどを使って反射型に改造しているようですが、ウィンドスクリーンはアルミ製の物が多く耐久性に不安が残ることと、折り畳んで収納するため角ばった構造で熱反射が不十分になりやすく、パネルの接続部分からも熱が漏れてしまう事が考えられます。その点ホームセンターなどでも手軽に入手可能なステンレス板を使うことで、耐久性と併せてある程度十分な熱反射が期待できます。

冬キャンプで活用する場合テント内では火気厳禁という大前提はありますが、「おこもり」ができる2ルームテントやティピーテント内ならやはりストーブを使ってヌクヌクしたいものです。簡単でかなりの暖房性能アップが見込めますので、自己責任とはなってしまいますが興味があれば試してみてください。

関連記事

このサイトや記事が気に入ったらシェアしましょう!