レインボーストーブをもっと暖かく!
この記事以降で確立した「煤(スス)」が出ない、簡単改造方法の最終形態のご紹介記事を公開しています。レインボーストーブの改造目的の場合は、ぜひこちらの記事も参考にされてください。
【スス無し】レインボーストーブ改造・最終版!
https://itoito.style/article/6295
冬キャンパーに人気の石油ストーブと言えば、フジカハイペットやアルパカストーブと並んで「キャンプ用ストーブ御三家」を構成すると言ってもいいのが『レインボーストーブ』。
(このストーブに関しては、すでにレビュー記事「寒い冬に被災した場合や冬キャンプに役立つ「石油ストーブ」」を公開しています)
トヨトミ社製でスノーピーク・ブランドでも販売されている、燃焼室のガラス筒に反射する幻想的な虹色の炎の美しさが特徴的なストーブです。編集部スタッフもそうですが、愛用されている方もかなり多いと思います。
しかし、フジカハイペットやアルパカストーブと比べて大きな違いがあります。それは燃焼室に輻射熱を発生させる金属製(ステンレス)のメッシュ構造やメタルパンチ構造のヒーターアタッチメントと、発生した熱を反射させるリフレクターが無い点です(そのおかげで、美しい炎のグラデーションを楽しめるわけですが)。
その点のある程度の解決が期待できるオプション製品として、遠赤コーティングされているガラス外筒が別途販売されていますが、冬キャンなどに使う場合は自分で工夫するのも楽しさの1つ。今回は手軽に入手できるグッズ2点を使って、レインボーストーブの暖房性能をアップさせる仕様に改造してみたいと思います。
※なお、改造するとメーカー保証が受けられなくなる可能性がありますので、実施される場合は自己責任とさせていただきます。簡単な改造ですが、万が一失敗した際の修理や買い替え等は編集部では応じかねますのでご了承ください。
また美しいレインボーカラーの反射と引き換えの改造ですので、こちらも予めご理解の上で作業してください。
改造に使う素材
材料はたったの2つ。
・台所のシンクの排水栓カゴ(ステンレス製:燃焼室での遠赤放射のヒーターアタッチメントを担当)
・ステンレス板(遠赤放射の前方反射を担当:0.3mm厚・サイズは最低限140mm x 250mm以上)
いずれもホームセンターで購入可能なものです(amazonなどの通販でも購入できます)。
また、排水栓カゴではなく100円ショップで販売されている「茶こし」を使っても有効という話しもありますので、まずは手軽に「百均茶こしバージョン」から試すのもいいかもしれません。
次に燃焼室用のヒーターアタッチメントとなる排水栓カゴ「SANEI H650AF」を準備。これが意外とジャストフィットなサイズ感で活用できます。(このH650AFにたどり着くまで、様々なグッズを探しました)
そして、熱のリフレクターとなるステンレス板を準備。横幅250〜300mm、縦幅140mm〜170mm程度のものがベスト。編集部では250mm × 250mmサイズを高さ170mmにカットしました(切り口が微妙なのはご愛嬌。青く見えるのは薄いビニールの保護膜が貼ってあるためです)。
リフレクターとなるステンレス板を丸みを付けてセットします。250mm幅でこんな感じです。300mmでもいいでしょう。縦幅を170mmにすると、ちょうどこのくらいの高さまで覆われます。
0.3mm厚のステンレス板の張力で、特に改めて固定しなくてもいい感じの固定感が出ますが、より丁寧にやる場合は金属クリップで止めたり、ステンレス板に穴を開けて何らか固定するといいでしょう。
まとめ
簡単な改造方法だと思いますが、これが想像以上に暖かくなります。併せて、レインボーストーブ本体には特に加工の必要は無くいつでも元の状態に戻せる点もポイントです。
家庭用の反射型ストーブの暖かさはやはりあの赤く輝く燃焼室のメッシュ構造による輻射熱と、それを前方に送り出すリフレクター構造にあります。それをできる限り簡単にレインボーストーブに実装してみようというのが今回の試みでした。
ヒーターアタッチメントとして使用した排水栓カゴの「H650AF」は、比較的サイズが大きいぶん横方向の暖かさが確保されるようです。
一部のキャンパーの方は、すでにコンロ用のウィンドスクリーンなどを使って反射型に改造しているようですが、ウィンドスクリーンはアルミ製の物が多く耐久性に不安が残ることと、折り畳んで収納するため角ばった構造で熱反射が不十分になりやすく、パネルの接続部分からも熱が漏れてしまう事が考えられます。その点ホームセンターなどでも手軽に入手可能なステンレス板を使うことで、耐久性と併せてある程度十分な熱反射が期待できます。
冬キャンプで活用する場合テント内では火気厳禁という大前提はありますが、「おこもり」ができる2ルームテントやティピーテント内ならやはりストーブを使ってヌクヌクしたいものです。簡単でかなりの暖房性能アップが見込めますので、自己責任とはなってしまいますが興味があれば試してみてください。