トップ レビュー 【特集】市販の非常用持出袋(防災セット)の徹底レビュー!

【特集】市販の非常用持出袋(防災セット)の徹底レビュー!

全国各地で増えている地震、備えておきたいのが「非常用持出袋」。市販品には何が入っている?どれを買えばいい?どこまで使える?何が足りない?そんな気になるポイントを『実際に購入して』徹底レビュー!

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これらの非常時用グッズを入れて持ち運ぶバッグ

すべての非常用グッズを詰め込んで持ち運ぶためのバッグがこちら。SHELTERSPORTSのバックパック。表側にポケットが3つ付いているので、震災発生直後の初動対応時に必要な軍手やホイッスル付きライトなどを入れておけます。

ジッパーの可動域が広いため縦方向に大きく開くので、用品を収納しやすい構造となっています。

用品をひと通りすべて詰め込んでみたところです。ランタンやラジオ類は敢えて箱のまま入れてみましたが、男女2人用セットの場合はまだ追加で入れられる余裕があります。

用品をすべて収納した状態での側面。バックパック自体の厚みがけっこうあるため収納性に問題は無く、収納方法を効率化すればかなりの物資を詰め込むことができます。

背負って背中にあたる面と肩掛け部分。肩掛け部には厚手のクッション素材が使われているため背負いやすく、またバッグとの接合部分も幅広です。大量の水や缶詰を詰め込んだ場合は重量オーバーになりそうですが、「非常持出袋」として使うバッグとしてのポテンシャルは十分あります。

全用品収納済み、外側のポケットには下からホイッスル付きライト、2人分の軍手、最上部には現金を入れた財布(商品には含まれません)を入れてみたところです。2人分としては収納力が高いので、ここに追加で必要とされる用品を別途入れておけば実用的な非常持出袋の完成です。

この非常持出袋に追加で含めておきたい用品

家族構成や状況に応じて、柔軟な用品選択が求められます。概ねの目安を下記に記しますが、各ご家庭で必要なものを改めてピックアップしてみてください。

 

●被災時に特に必要とされる衛生面を担保できる用品群
・除菌用アルコール
・ウェットティッシュ
・ポケットティッシュ
・マスク
・常備薬(消毒薬、総合感冒薬などのいわゆるカゼ薬、胃腸薬や整腸薬、粉塵環境を考慮した目薬、)
・使い捨てできるビニール袋、ジップロックなどのジッパー付きビニール袋
・マウスウォッシュ用の口腔洗浄液のミニボトル
・予備電池
・油性マジックを含めた筆記用具
・下着類と洗濯ばさみ

●女性の場合に用意しておくべき用品
・手鏡とオールインワン化粧品(クリーム、化粧水、化粧下地、日焼け止め等が一緒になったもの)
・生理対策用品(+ ウェットティッシュと除菌用アルコール)
・リップ&保湿クリーム
・大きめのストール(冷え対策や避難所などでの視線対策に使えます)
・ポーチや小さく畳めるエコバッグと輪ゴム

●小さな乳幼児のいる家庭で用意しておくべき用品
・母子健康手帳
・レトルトパウチのベビーフード
・粉ミルク、哺乳瓶またはゼリー状栄養食品
・おむつとお尻拭き

まとめ

非常用持出袋の選び方は各ご家庭それぞれ・各人それぞれでいいと思います。しかし今回編集部で実際に市販品を購入して検証した結論としては、最初から細かいものまで多数揃えた「網羅型」のものよりは、「集中対策型」の市販品をベースに過不足を調整して、そこに自分たちなりに必要なものを追加していくほうが無駄なくコストパフォーマンスも良いように感じました。

阪神淡路大震災以降、市販の非常用持出袋においては先人の知恵にもとづき最大公約数的な商品構成の点でほぼ間違いの無いレベルまで到達していることと、とは言え女性視点や乳幼児・要介護者を抱えた世帯向けにカスタマイズされた商品はまだまだ少ないという点でも、最終的な用品選択の責任はそれを使う私たちが担うことになります。

身近に迫った次の大震災や災害への対応という点でも、自分たちの身の安全は人任せにせず自分たちで最大限守る、その意識をしっかり持って「備え」をすべきだと感じたのが今回の「非常用持出袋」を実際に購入して内容を確認した結論です。過去の大震災においても、政府や地域行政の対応は後手に回りがちでした。各個人・各家庭で備えをしなければ、震災直後に降りかかる大きな困難を乗り切るのはストレスフルなもの。皆様においても、ぜひ各ご家庭でこのあたりのことを会話していただければ幸いです。

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