2019/1/12〜1/13:フィリピン・マニラ近郊のタール火山が大規模噴火
2020/01/12の午後、フィリピン・マニラ近郊のタール火山が大規模噴火を起こしました。火口付近での水蒸気爆発と見られています。
噴煙の高度は10〜14km以上に達しており、火山雷(火山灰などの噴出物に起因する稲妻現象)も観測されています。
タール火山はフィリピン・ルソン島の首都マニラから南に約60キロに位置しており、フィリピンでは最も活動が活発な火山の1つです。
1/12午後以降、タール火山周辺では地震も頻発しているとのこと。
1/13午前には火口から溶岩の噴出、火山灰の降下は首都マニラなど広範囲で確認されています。
タール火山は標高311mと火山としてはさほど大きくはないものの、付近には45万人以上の住民が居住しているため、世界で最も危険な火山だとも考えられています。
前回の噴火は1977年で43年前の噴火。その際は1965〜1977年にかけてたびたび噴火が発生しました。1965年の噴火では約200名が犠牲に。
さらに以前の大きな噴火は1911年で、このときは1335名の人命が失われたとされています。
今回の噴火を受けて、フィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)は噴火警戒レベルを4に引き上げ(最大は5)、周辺住民に対して避難や警戒を呼びかけています。
1/13の段階では16,000人以上の人々が当局が設置した避難所を探しており、避難者の総数はさらに多くなる可能性があるとのこと。
当局では再び「危険な噴火」が今後数日から数週間以内に起こり得ることを警告しており、火山周辺にある全自治体を対象に避難勧告を出しています。
現地での空港閉鎖と日本との空路への影響
タール火山の噴火を受けて、現地ではマニラ国際空港が閉鎖、航空機の発着はおこなわれていない状況となっています。
噴火により大量の火山灰が大気中に放出されており、それを航空機のエンジンが吸引すると停止などのトラブルや故障によって大事故につながる恐れがあるためです。
日本とマニラとを結ぶ便はすでに200便以上が欠航しており、今後さらに増えると見られます。
火山の噴火による日本への影響は
東南アジアに位置するフィリピンの火山の噴火であるため、日本には直接関係ないと思われるかもしれませんが、「環太平洋火山帯」という括りではフィリピンと日本はつながっていると考えて良いでしょう。
つまり今後、日本でも大きな地震や火山活動の活発化などが発生する可能性が十分に考えられます。
日本においても今後30年内に発生が懸念されている巨大地震は複数あり、また世界有数の火山国でもあります。
深海魚の漂着や「いわゆる地震雲」といったものが大地震の前兆だと、これまでよく言われてきましたが、この2点に関しては科学的根拠や信頼に足る統計データはありませんので気にしなくて大丈夫です。
しかし温泉地における温度や湯量の極端な変化などがあった場合は、注意したほうが良いでしょう。
今回のフィリピンのタール火山の噴火は43年ぶり。大規模な自然災害は忘れたころにやってきます。
備えは災害が起きる前に完了しておきましょう。起きてからでは手遅れになることがあります。
この日、他に発生した有感地震(記事執筆時まで)
【沖縄本島近海】
2020/01/13 11:28頃, 震度1, M3.3, 深さ20km, 北緯:26.5, 東経:127.2
【栃木県北部】
2020/01/13 10:52頃, 震度1, M2.6, 深さ10km, 北緯:36.6, 東経:139.4
【長野県北部】
2020/01/13 03:34頃, 震度2, M3.0, 深さ10km, 北緯:36.9, 東経:138.6